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深山の明珠―武陵源

湖南省の武陵山脈に広がる景勝地、武陵源。長い間無名のままであったが1970年代に入ってようやく人々に発見され、「深山に潜められた輝かしい真珠」と絶賛されるようになった。

太古の武陵源は大海原であった。絶え間ない地殻運動が、今日の武陵源の砂岩、峰林、峡谷の地貌を作り上げた。至る所に珍しい草花が生え、鬱蒼と茂る松や柏が陽を遮り、奇峰、怪石が突出している。渓流が峰を取り巻くように流れ、山間や絶壁にはいつも霧や靄がたちこめている。

武陵源は張家界国立森林公園、索渓峪自然保護区、天子山自然保護区の3区からなり、奇峰、怪石、洞窟、清水、鍾乳洞は武陵源の「五絶」として名高い。独特な石英砂岩の群峰は、内外でも稀に見る奇抜な景観であり、敷地内に3000以上の石峰があり、高さ400m以上の垂直に伸びた石峰は1000を超える。錦や筍、屏風や矛そっくりの岩壁や石峰が重なり合ってどこまでも続き、雄大で壮麗な景観を作り出している。雨が止んで晴れ間が広がるときや長雨が続くときには、幽邃の山間に雲煙がたちこめ、山々は雲霧に覆われる。たなびく雲海の間に、石峰が見え隠れしながら千変万化の姿を現す。晴天の下では無表情の堅固な峰々も、霧の中ではなよやかで飄逸とした神秘的な表情を見せてくれる。

武陵源の水流は、山に沿って蛇行しながら流れている。張家界だけ?も「秀水八百」と言われ、魅力あふれる無数の滝、泉、渓流、淵、湖が山林にいっそう生気を与えている。川の両岸には岩壁が切り立ち、赤い岩肌の石峰と緑の木々が川面に影を落とす。渓流に沿って小道を行くと、清々しい空気がじつに爽やかである。丸木橋を渡り、石の階段を登り、ホトトギスのさえずりや滝壷で戯れる花斑魚、時には水辺でのどを潤す山鶏に出会うこともある。武陵源の鍾乳洞は中国でも有数の規模と数を誇る。黄竜洞、観音洞、飛雲洞、金螺洞などが有名で、なかでも索渓峪の黄竜洞は全長7.5キロメートルにも及ぶ。

漫山生い茂る緑の森林に覆われている武陵源では生きている化石と呼ばれるメタセコイア、イチョウ、カラキリ、竜蝦花などの珍しい古代希少植物が至る所で見られる。また密林や渓流の水辺にはキジ、センサンコウ(穿山甲)、猿面鷹、赤嘴相思鳥、ビコウ、サンショウウオなどの珍しい動物が生息している。

自然風光と並んで、純朴な田園風光もこの土地の魅力である。武陵源にはトチャ族、ペー族、ミャオ族などの少数民族が多く居住している。山一面に段段畑が広がり、青々と茂る山と緑なす水の間に集落が点在し、木々に囲まれた住居から緩やかに炊煙が立ち上る。地元の祝祭日には民族色豊かな歌や舞りが楽しめる。こうした民俗情緒と密林、石峰が渾然一体となり、武陵源の野趣豊かな「原始」絵巻きを織り成している。

  



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